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知床「世界遺産」確実

 IUCNが「登録適当」
        ユネスコに評価書提出 国内3番目、7月決定

世界遺産登録が確実になった知床半島(本社機から)
世界遺産登録が確実になった知床半島(本社機から)

 世界自然遺産の審査機関である「国際自然保護連合(IUCN)」(本部・スイス)は、「北海道・知床は世界自然遺産への登録が適当」との評価書をまとめ、「国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)」(同・パリ)に提出した。31日、環境省が明らかにした。同省によると「登録適当」が覆された自然遺産の例はこれまでになく、7月に南アフリカで開かれる世界遺産委員会での登録がほぼ確実となった。

 国内での世界自然遺産の登録は、屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森県、秋田県)に次いで3番目となる。

 候補地の面積は、沖合3キロまでの海域を含み7万1100ヘクタール。評価書によると、知床は流氷が到達する北半球の南限で、流氷の影響を受けた海洋生態系と陸上生態系の相互関係の顕著な見本。サケ科魚類、トドやクジラ類など海生哺乳(ほにゅう)類、希少海鳥類、渡り鳥類にとって世界的に重要な地域である――としている。

知床世界自然遺産候補地マップ

 評価書ではまた、海域管理計画の早期策定、サケ科魚類へのダムによる影響と対策を明らかにした管理計画の策定などを勧告した。

 世界遺産委員会では、開催国の南アフリカが議長となり、日本を含む21か国のユネスコ大使が、知床など世界10か国から推薦された自然遺産候補地の登録の可否を議論し、決定する。

 ・環境相「大きな前進」

 小池百合子環境相は、31日の閣議後の会見で「一言でいってうれしい。登録に向けた大きな前進。本委員会での登録を確信している。登録に向けて最善の努力をはかりたい」と話した。また、IUCNからの保全に向けたダム問題などの勧告について「誠意を持って対応したい。基本的には地元との話し合い、協力が欠かせない」とした。

 ・北海道の環境世界的に評価 知事

 北海道の高橋はるみ知事は31日、訪問先の北方領土・国後島でIUCNの評価報告について連絡を受け、「北海道の誇る自然環境が世界的に認められたことで、誠に喜ばしい。国をはじめ、関係機関、団体、科学委員会、地元の方々の熱心な努力のたまものと考えている」とのコメントを出した。

 IUCN部長シェパード氏 評価書に自信

 【パリ=山口香子】 「知床は世界自然遺産登録が適当」との評価書を作成した国際自然保護連合(IUCN)のデビッド・シェパード保護地域事業部長(48)は30日、スイス・グランの本部で、読売新聞の取材に「マスコミや地元の関係者から多数問い合わせが来ており、日本での注目の高さを実感している」と話した。

 評価過程については「『傑出した普遍的価値』(OUV)があるかどうか、純粋に科学的検証を行うことが、現在と未来の登録地の価値を保障する」と、遺産の「質」の維持の重要性を強調。「内部で慎重に議論を重ねて結論を出した」と、評価書に自信を示した。知床については「非常にすばらしいところ。個人的にもまた訪れたい」と、昨年7月の訪問を懐かしんでいた。

 ・7月の南ア総会知事現地入りへ

 北海道の高橋はるみ知事は31日、南アフリカで7月に開催される世界遺産委員会総会に合わせ、現地入りする方針を決めた。道幹部が明らかにした。「国際自然保護連合(IUCN)」がユネスコに提出した評価書で、知床半島の世界遺産登録が確実となったことを受け、判断した。

 世界遺産委員会総会は、7月10〜17日に南アフリカのダーバンで開催され、世界自然遺産への登録を正式に決定する。知事は、現地の最終審査会で知床の魅力をアピールするほか、登録決定の際には、お礼のスピーチを行う。また、現地での記者会見も予定している。

 『世界自然遺産』 1972年のユネスコ総会で「世界の文化遺産および自然遺産の保護にする条例」(世界遺産条約)が採択され、現在、180か国が締約済み。すぐれた価値を持つ地形や生物、景観などの自然遺産のほか、普遍的価値を備えた建築物や遺跡などの文化遺産、文化と自然の両要素を兼ね備えた複合遺産の3種類がある。登録総数は134か国、788か所。このうち、自然遺産は154か所。


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