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知床特集

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世界遺産 みんなで守れ
       道内各地で取り組み始動

 「さあ、知床の自然をしっかり次世代に引き継ごう」――。世界自然遺産の登録決定を受けて、ゴミ対策、サケの遡上(そじょう)対策と、「人類の宝」の保全に向けた動きが15日、早速本格化した。遺産登録を決めた南アフリカの会場では、国際的な視野から、知床への賛辞とともに、道民への注文も届いた。


【ボランティア清掃本格化】

斜里町総合庁舎には、世界自然遺産登録を祝う懸垂幕が掲げられた(15日)
斜里町総合庁舎には、世界自然遺産登録を祝う懸垂幕が掲げられた(15日)

 お金を払って知床を掃除しませんか――。知床の自然保護活動を進めるNPO(非営利組織)法人「しれとこラ・ウシ」は、世界自然遺産登録を機に「知床岬クリーンボランティア」を本格化させる。

 しれとこラ・ウシは、根室・羅臼町で民宿を経営する湊謙一さん(55)らが設立。世界遺産登録にうかれず、知床の自然に学ぶ地道な活動を目指している。

 羅臼町との共催で、初回は9日、一般の立ち入りが制限されている知床岬を約20人が船で訪れ、漂着ゴミなどを集めた。今後の予定は、23日(羅臼町民のみ)、8月6、20、23日、9月3、17日の計6回。

 会員の参加費は4000円(昼食費、保険代など含む)。非会員は、さらにラ・ウシの入会金1000円と年会費1万円が必要。羅臼町までの交通費と宿泊費は自己負担となる。

 1回当たりの定員は約20人で、先着順。悪天候で中止となった場合は、他の地域で清掃活動する。

【ダム改修提言へ】

 サケ科魚類の産卵に影響があるといわれる、砂防ダムのあり方を検討する「知床世界自然遺産候補地科学委員会」河川工作物部会の第1回会合が15日、札幌市内のホテルで開かれた。会合では遺産登録地にかかわる13河川の88か所で工作物を確認したことや、水量などによって魚が川をさかのぼれない場所があることなどが報告された。

 特に羅臼町側では、シロザケやカラフトマスがダムで遡上できず、人家が近くにあるダムの下に、魚を狙ったヒグマが集まっている例などもあったという。

 同部会は、国際自然保護連合から、知床を世界遺産とする上での課題とされた河川環境の改善策を検討する。今年度は知床半島の4河川を選んで調査を実施。来年度末には、一部の河川についてダム改修などを提言する。

【道路整備も優しく】

 世界自然遺産となって増加が予想される観光客の足を支えようと、知床周辺では道路整備の工事が急ピッチで進んでいる。

 北海道開発局網走開発建設部によると、網走・斜里町内を走る国道334号では今年度、渋滞解消のための拡幅工事や土砂崩れ・落石対策の壁、金網設置工事などを6か所で行う。観光シーズンの8月のみ、工事を中断して渋滞の緩和を図る。

 一方、国道334号はエゾシカの横断防止さくや道路下の通行路を設置した「エコロード」が整備されており、自然への影響を抑えるよう工夫されている。

 また昨年は、名勝「オシンコシンの滝」近くの工事現場周辺で営巣しているオジロワシを発見。岩盤の切り崩しを取りやめて約1億7000万円を投じて接着剤で固定する工事に切り替える配慮を迫られた。

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