YOLトップ 北海道発トップ 知床特集トップへ戻る
知床特集

知床関連記事

制度周知、渋滞が課題

 世界自然遺産・知床の知床五湖で、今年から導入された利用調整地区制度(有料化)の適用期間が終了、利用者数は5万9592人(暫定値)で、環境省の予測値(4万5507人)を上回る結果となった。運営費も赤字にならなかったが、制度の周知不足や駐車場拡張の必要性などの課題も浮上しており、来年度の運用に向けて改善の議論が進められる。(中村僚)

 環境保全と観光振興の両立を目指して導入された制度の利用は、ヒグマ活動期(5月10日〜7月31日)が6519人、植生保護期(8月1日〜10月20日)が5万3073人だった。予想を上回る利用者があったことについて、環境省ウトロ自然保護官事務所は「一定の成果があった」と評価。収支もわずかながらプラスになった。

 2007年に同制度を導入した吉野熊野国立公園の大台ヶ原西大台地区(奈良県)は、赤字により一時、指定認定機関が撤退するなどの問題が生じた。窓口事務やヒグマ対策などを担当する知床財団は「利用者が落ち込まず、ほっとしている」としている。

 一方で、事前予約が必要なヒグマ活動期は、制度を知らずに訪れる人もいた。有料になったことで、観光シーズンのピークには、じっくり五湖を観光する人が増えて滞在時間が延び、渋滞や駐車場不足を招いた。ヒグマ活動期には、ガイドが渋滞で予約の時間に間に合わないというトラブルも起きたという。

 同事務所は「制度の周知や渋滞解消が課題、シャトルバスの効率的な利用などを検討したい」としている。

 【知床五湖の利用調整地区制度】 知床五湖の地上歩道に入る際、利用調整期間(今年は5月10日〜10月20日)には指定認定機関の知床財団の認定が必要となる制度。ヒグマとの遭遇を避けるために制限する「ヒグマ活動期」(5月10日〜7月末、1日300人まで)と、植物を保護するために制限する「植生保護期」(8月1日〜10月20日、1日3000人まで)がある。ヒグマ活動期は登録引率者によるガイドツアー(5000円前後)への申し込みが、植生保護期は250円(12歳未満100円)の認定手数料が必要。

 リスト一覧へ戻る