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「知床に再びカワウソを」
  岩尾別川の生態系 復元目指す

知床で復活が期待されているカワウソ(知床博物館提供)
知床で復活が期待されているカワウソ(知床博物館提供)

 世界自然遺産地域の知床で、絶滅したとされるニホンカワウソを復活させようと、斜里町立知床博物館と知床財団は、2012年度から同町の岩尾別川の流域でカワウソの住める生態系復元を目指す考えを明らかにした。具体的には、同博物館が所蔵している、半世紀前に捕獲した標本からDNAを採取。遺伝子分析を行った上で、世界に生息するカワウソのうち、類似のDNAを持つ種の導入の可否を検討する。

 地元博物館など類似種の導入検討

 カワウソが生息する自然環境は「豊かな森の象徴」(知床財団)と位置づけられている。知床には1950年代半ばまでカワウソが生息していたことが確認されており、カワウソは川底の魚を食べることから、良好な生態系でなければ定住できないとされている。

 同博物館ではカワウソの導入によって、知床半島で増殖が懸念されている特定外来生物のアメリカミンクの個体数抑制につなげる効果も見込んでいる。同博物館によると、スペインやベラルーシなど、海外でカワウソの分布する地域ではミンクの生息頭数が抑制されているという。

 カワウソは北海道内では1955年、同町内でマス漁の網にかかっているのが発見されたのを最後に、確認されていない。毛皮目的の乱獲などが原因とされ、全国的にも個体が確認されたのは1970年代までで、90年代に絶滅したとみられている。

 カワウソは現在、ユーラシア大陸やアフリカ大陸に分布。英国やスウェーデンなどヨーロッパ諸国ではカワウソが激減したことを受けて再導入が行われ、復活傾向をたどっているという。

 ただ、カワウソを導入すると影響は軽微とはいえ、世界自然遺産地域でサケやマスを食べる被害も想定されるため、知床財団ではこうした影響を考慮しつつ、実際の導入の可否を最終判断する構えだ。このほか、サクラマスなどの産卵状況調査、オショロコマやニホンザリガニの生息調査を実施し、総合的に5年でカワウソの生息できる生態系作りに取り組んでいく。

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