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人とクマ住み分け 「エサ禁」知床始動へ…ロゴ作り官民で展開

キャンペーン用に制作された、餌やり禁止を訴えるロゴ

 世界自然遺産の知床半島で今春から、ヒグマに餌を与えないよう呼びかける「えさ禁」キャンペーンが始まる。ヒグマに餌を与える観光客が後を絶たず、ヒグマが人里や沿道に出没する回数が急増しているため。人とヒグマの“適正距離”の回復を目指し、官民一体で3年間、キャンペーンを展開する。

 キャンペーンは、作成した「えさ禁」を訴える啓発ロゴを車両や観光客のレンタカーに貼り、周辺の旅館、ホテルには啓発ポスターを貼り出す。ヒグマが人里に近づきやすい6〜7月は強化期間とし、通行車両を1台ずつ止めてチラシを配布する日を設ける。コンビニ店の弁当の包装、食堂やレストランの割り箸袋、紙ナプキンにも「えさ禁」ロゴを、印刷する案も検討している。

 ヒグマは人の食べ物の味を覚えると、ごみ置き場を荒らしたり、キャンプ場や車に寄ってきたりする。観光客が、ヒグマとツーショット写真を撮るために餌付けしようとしていたという報告や、コンビニ弁当の袋をくわえるヒグマがいたという報告も寄せられている。知床半島は高密度でヒグマが生息するが、人との住み分けが成立した世界的にも希少な地域とされ、ヒグマと車の交通事故は1986年を最後に確認されていない。ところが、今年度の斜里、羅臼両町の目撃件数は2155件と、ここ数年の2倍近くに上った。

 昨年夏に知床財団は、校庭で射殺されたヒグマの写真を使ってカードを作り、「エサやりがクマを殺す」の文言で「えさ禁」を呼び掛けたが、今回のキャンペーンは民間業者も巻き込んで、長期にわたって展開し、本来のヒグマと人間の住み分けを取り戻す。環境省釧路自然環境事務所は「餌やり行為自体が危ないだけでなく、人に慣れたヒグマは結局、人里で射殺される。双方にとって不幸を招く点を訴え、人とヒグマの適正距離を回復したい」としている。

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