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知床特集

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厳冬期ツアー開始…除雪でアクセス容易に

「一湖」近くの丘から望むオホーツク海の流氷(25日、斜里町で)

 厳寒期の知床を歩く「厳冬期の知床五湖エコツアー」が、斜里町の知床五湖で始まった。今冬から五湖近くまでガイドの車で乗り入れられ、参加しやすくなった。世界自然遺産登録から今年で10年を迎えるにあたり、豊かな自然が残る知床の価値を広めようという新たな取り組みだ。 (黒田高史、写真も)

 雪に覆われた林の中をスノーシューで進む。夏季の遊歩道から外れたコースは静寂に包まれている。ガイドの鈴木謙一さん(48)がトドマツの前で立ち止まり、説明した。「ここにクマの爪痕があります。ヤマブドウのツルが絡まっていて、この実を目当てに木登りをしたんですね」

 ツアーは、知床斜里町観光協会が企画し、環境省や道などと協議会を作って実施。厳寒の知床五湖の魅力を知ってもらうとともに、近くで開拓者が暮らしていた歴史も体感してもらうのが狙いだ。

 2007年度に始まったツアーは従来、五湖に通じる道道が冬季通行止めとなるため、ゲート発着の道のり約13キロ・メートルを8時間かけてスキーで回っていたが、今冬から3年は道道を試験的に除雪し、五湖駐車場まで車で行けるようにし、体力に自信がない人も参加しやすくなった。

 コースは原生林や結氷した五つの湖の上などを歩く約3キロ・メートル、2時間半の行程だ。今季ツアー初日の25日、気温は氷点下4〜5度でほぼ無風の穏やかな気候。キタキツネやテンなどの足跡を見て、オホーツク海の流氷を眺めながら開拓時代に放牧地があったことなどの説明を受けた。

 東京都立川市の会社員安藤晃平さん(37)は「色々な動物の跡や流氷の絶景が見られ、来たかいがあった。ここで人が暮らしていたとは想像できない」と話した。

 道のまとめによると、知床(斜里、羅臼両町)を訪れた観光客は、知床が世界自然遺産に登録された05年度に約245万1400人だったが減少し、09年度からほぼ横ばい。13年度は約173万4500人だった。

 冬の知床観光は、斜里町の「流氷ウォーク」や羅臼町の「海獣ツアー」などがある。だが、知床の冬季の観光客は、夏季の2割以下にとどまり、冬季の観光客を増やすことが、知床の価値を広める上で重要だ。

 知床斜里町観光協会の代田克雄常務理事(64)は「冬の知床など、まだ知られていない魅力を発掘し、知床の価値を全国に発信したい」と話している。

     ◇

 厳冬期の知床五湖エコツアーは3月22日まで。料金は6500円。申し込みは各ガイド事業者へ。問い合わせは知床斜里町観光協会(0152・22・2125)。

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