YOLトップ 北海道発トップ 知床特集トップへ戻る
知床特集

知床関連記事

世界自然遺産登録から10年を迎える知床(16日午後、北海道知床半島沖で、本社機から)=原中直樹撮影

生命つながる地…知床、世界遺産10年

 世界自然遺産「知床」(北海道斜里町、羅臼町)は2005年7月の登録から17日で10年を迎える。オホーツク海に突き出た知床半島は16日、雲のかかった山々が海に浮かぶようにそびえていた。

 原生の森に覆われた山と、恵みをもたらす豊かな海を、所々に見える谷筋の川がつなぐ。その川には8月中旬頃からマスやサケが遡上、集まったヒグマがサケ類を捕食し、そのフンが森の栄養分になる。こうした海と陸の生態系のつながりが、世界自然遺産として評価された。

 雲の下を知床岬から斜里町ウトロ方面に向けて飛行。知床連山の山頂は雲をかぶっていたが、代表的な景勝地「知床五湖」では駐車場に多くのバスや乗用車が止まっており、にぎわう様子がうかがえた。

知床の自然 海外客も魅了

 世界自然遺産登録10周年を17日に迎える知床では近年、海外からの観光客が増えている。

 斜里町のガイド事業者「知床ナチュラリスト協会」(略称・シンラ)は16日、約3キロを約3時間かけて巡る知床五湖1周ツアーのガイドを行った。午前中に案内したのは、台湾人5人のグループと、日本人4人と台湾人4人のグループ。

(上)森の中から現れたヒグマの親子(下)ガイド(左)の説明を聞く台湾人観光客(ともに斜里町で、守谷遼平撮影)

 それぞれのグループは、いずれも通訳が付き、スタッフは日本語で「クマゲラが開けた穴ですよ」「この木にクマが登った爪痕があります」などと解説した。

 台北市の医師(47)は「人間と動物が一緒に暮らせる環境が守られ、すばらしい」と、喜んでいた。

 シンラは、外国人観光客へのサービス向上を図るため、外国語の勉強をしたり、五湖にある花を撮影、外国語での説明文も入れて解説に使ったりしている。

 この日、日本人と台湾人の混成グループを案内した、早坂雅賀さん(47)は「通訳がいないときは、得意じゃないけど英語で解説する。スマートフォンの翻訳アプリも活用する」と、照れくさそうに笑った。

 知床斜里町観光協会によると、知床五湖がある斜里町には世界自然遺産に登録された2005年度、対前年度比約12万人増の約169万人が観光に訪れた。その後は減少傾向が続くが、それでも14年度は約114万人の入り込みがあった。

 14年度の外国人観光客は約3万人で、05年度と比べると約5倍になった。約9割が台湾や香港、中国などのアジア圏から訪れた。

 リスト一覧へ戻る